採用戦略におけるフレームワークの活用|採用活動を成功へ導く戦略

採用活動を成功させるために、効果的な採用戦略を策定することが必要不可欠です。

ただ、「採用戦略ってどのように立案すればいいかわからない」とお悩みの方も多くいらっしゃいます。

採用戦略を考える上で、「フレームワーク」の活用は非常に役立ちます。

フレームワークを活用することで、自社の課題が発見でき、どのように採用活動を行えばいいかを効果的に考えることができます。

今回の記事では、採用戦略フレームワークの概要や、具体的なフレームワークについて解説します。

フレームワークって何?

「フレームワーク」とは、共通して用いることが出来る考え方、意思決定、分析、問題解決、戦略立案などの枠組みのことを意味します。端的に言うと、ビジネスで最短・最速で成果を上げることを目的に使われる思考の枠組みを指します。

フレームワークを活用することで、複雑な問題も枠に当てはめて考えることができ、ものごとを整理して考えることができます。

なぜ採用戦略にフレームワークが必要なのか

採用戦略を効果的に組み立てる上で、フレームワークは重要な役割を担います。

採用を成功させるためには、自社が求めている人材に、自社を魅力的だと思ってもらえるアプローチをする必要があります。

この文章だけ見ると簡単に思えるかもしれませんが、膨大にある求人媒体から最適なものを選び、求職者に刺さる文言を作成することは容易ではありません。

最適な採用戦略を策定するためにはフレームワークを活用する必要があります。

フレームワークを活用することで「現状の自社の課題」「市場における自社の立ち位置」「求める人材の明確化」など自社と自社を取り巻く環境を理解することができます。

それにより、何をすればいつまでに何人の求職者に応募をしてもらえるかといった、論理的な採用戦略を考えることができるようになります。

このように採用において、フレームワークを活用する重要性は高く、現在思っているように採用活動が進んでない方は、一度フレームワークを用いて採用戦略を見直してみるのがおすすめです。

採用戦略フレームワーク6選とその活用方法

採用戦略を立案する際に役立つフレームワークは非常に多くあります。今回は、その中でも特に有用とされる6つのフレームワークについて解説します。

「ペルソナ分析」で採用したいターゲットを明確に

ペルソナとは、自社製品・サービス提供の具体的なターゲット像を意味します。

採用戦略においては「採用したい人物像」を明確にしたものです。

ペルソナを作成することで、求める人材についての認識を社内で擦り合わせできたり、採用したい求職者へのアプローチ方法をペルソナに合わせて考えることができるようになります。

ペルソナを考える上で、人物像の要素は大きく次の3つに分類されます。

プロフィールに関する情報 名前、性別、年齢、学歴、年収、居住地など
業務の遂行に関する情報 経験職種・業界、スキル、、役職など
パーソナリティに関する情報 ライフスタイル、趣味、志向、価値観、性格など

これらを基に、自社の欲しい人材に合わせながら、どのような人材を採用したいかを設計していきます。

例えば、30代の営業を採用したいのであれば、下記のようなペルソナが考えられます。

『早稲田大学教育学部卒業後、IT系のメガベンチャーに新卒で入社。2年目で同期最年少リーダーに昇進。その後、社内表彰されるなど結果を残しながら、10年ほど勤務。直近で子どもを授かったが、会社の業績不調でボーナスがカット。今後、会社がどうなるのかや今のままのキャリアでいいのかと、漠然とした将来の不安が募ったことで、転職活動を実施。』

このようにペルソナを考えた際、「入社後のキャリアビジョンがわかるもの」「福利厚生や昇給などを実際の社員の例を用いて説明する」などの訴求を行うことが効果的だと考えられます。

簡単な例で説明しましたが、より詳細なペルソナを作成することで、最適な採用メッセージを設計することができます。

「ファネル分析」で採用プロセスの現状を分析

そもそもファネルとは、日本語で「漏斗(じょうご)」を意味する言葉で、逆三角形の形をしているものです。

マーケティングにおいては、消費者が商品を認知してから購買までのフェーズで人数がどんどん減っていくことを図式化したものを表し、形が下図のようにファネルに似ていることからそのように呼ばれています。

採用戦略の場合においても、ファネル分析は活用できます。

形として「認知」、「興味・関心」は変わりませんが、「比較・検討」は「応募・選考」に、「行動」は「内定」となっております。

ファネル分析を行うことで、どこにボトルネック(問題点)があるかを判断することができます。

例えば、求人広告を出した際に、ファネル分析を活用しながら数値の推移を考えると以下のようになります。

認知:表示回数 10,000回

興味:クリック 1,000回

応募:応募数 3人

内定:内定者 1人

上記のような状況では、ボトルネックとなっているフェーズは応募となっています。

そのような時に、応募率をどのように上げればいいかを考え、実施することで効果的な施策を実現することができます。

「3C分析」で競合との差別化をはかる

3C分析とは、自社の状況や課題を把握するため、競合や顧客など外部環境も含めて分析を行うフレームワークです。分析対象は、「Customer(市場・顧客)」、「Company(自社)」、「Competitor(競合)」の3つで、この頭文字をとって3C分析と呼んでいます。

3C分析は採用活動においても非常に効果的な役割を担います。

採用活動において、どのような訴求なら求職者に刺さるかを考えるために、まずは求職者(顧客)について知る必要があります。給与やワークライフバランス、仕事内容など求職者によって何を優先するかは異なっており、自社がターゲットとする求職者の動向を把握しておくことが重要です。

同時に、競合他社の分析も欠かせません。例えば、競合他社が求人広告でどのような強みをアピールしているかを分析することで、自社の採用戦略を差別化するためのヒントとなります。

競合他社の強みや魅力、自社がターゲットとする求職者の動向が見えてくれば、自社のポジションやとるべき戦略が見えやすくなります。そのため、3C分析を活用することで、顧客と競合の両面から、自社が訴えるべき強みや魅力を考えることができます。

「4C分析」で求職者のニーズに合わせた戦略を練る

4C分析とは、顧客視点での戦略を考える際に用いられるフレームワークです。分析対象は、「Customer Value(顧客にとっての価値)」「Cost(顧客の負担)」「Convenience(顧客にとっての利便性)」「Communication(顧客とのコミュニケーション)」の4つで、この頭文字をとって4C分析と呼んでいます。

採用戦略においては、顧客の部分を求職者に置き換えて戦略を練ります。

「Customer Value」は「求職者が自社に入ることでどのようなメリットがあるか」を指します。適切な評価制度、ワークライフバランス、人間関係、給与、福利厚生、など自社が求職者に対して何を提供できるかを考える際に役立ちます。

「Cost」は、「求職者が自社に入ることでどのようなデメリットがあるか」を指します。例えば、休日は多いが基本給が少ないように、メリットと比較して考えるとデメリットが挙げられやすいです。

求職者のCostに対し自社がどう向き合うかを検討することで、より質の高い採用戦略を立案することができます。

「Convinience」は「求職者の自社への応募しやすさ」を指します。例えば、書類提出は必要か、会社説明会はオンラインもあるか、面接の日程調整しやすいかなどが当てはまります。応募者にとって出来るだけ応募しやすいかが採用成功に繋がるかのカギの1つです。

「Communication」は「求職者とどのようにコミュニケーションを取るか」を指します。求職者が普段どのようなコミュニケーションチャネルを使っているか等を検討することで、適切なアプローチをすることができます。

「SWOT分析」で自社の強み・弱みを理解する

SWOT分析とは効果的な経営・マーケティング戦略を立案するために使われるフレームワークです。

自社の内部環境と外部環境を「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの要素で要因分析することで、自社の特徴や立ち位置を理解することができます。

SWOT分析は、ペルソナと組み合わせることで、ターゲットを取り巻く状況や生活環境、抱えている課題などを詳細にイメージすることができるため、より精度の高い採用戦略を打ち出すことが可能となります。

「TMP設計」で全体のプロセスを設計する

TMPとは「Targeting(ターゲティング)」「Messaging(メッセージング)」「(Processing)プロセシング」の略で、採用設計を行うために用いられるフレームワークです。

TMP設計では、最適なメッセージ・プロセスを設計するために、まずだれを採用するかといった「ターゲット」を決めます。ここがズレてしまうと、全てがズレてしまうので、自社の条件を整理してから、ターゲットを決めることが重要です。

ターゲットを決定する上で、闇雲にこういう人がいいと考えるのではなく、下記のように将来性などを踏まえ考えるとメッセージを考える際に役立ちます。

  • 会社の事業計画などに合わせた将来性
  • スキルや経験、ストレス耐性などの定量的な指標
  • 転職市場にいるかどうかといった現実味

ターゲットが決定したら、ターゲットが応募したいと思えるような「メッセージ」を考えます。重要なのは、『ターゲットに刺さる魅力』であることです。

メッセージを作成する上で、まず自社にどのような魅力があるかを整理して考えてみましょう。

例えば、「成長できる組織文化」「やりがいを感じられる仕事」「納得のいく給与」「良好な人間関係の職場」などさまざまです。

自社の魅力を考える上で、下記のように従業員にヒアリングしてみるのも効果的です。

  • 社員に自社の魅力についてヒアリングをしてみる
  • 何が決め手で自社を選んだかのヒアリングをしてみる

発信するメッセージを洗い出せたら、ターゲットに合わせて最適なものを選びましょう。

ターゲットとメッセージを決定したら、最後にターゲットに最適にアプローチするための「プロセス」を決定します。TMP設計は、一貫していることが何よりも大事なため、選考のプロセスもこれまでの要素を踏まえて考える必要があります。

また、選考の目的は、「自社に合う人物を見極めれらる選考フロー」だけでなく「ターゲットが自社の魅力が伝わるような採用プロセス」である必要があります。

そのため、メッセージで自社の魅力部分を伝えたなら、選考においてもその魅力が求職者に伝わるような工夫をしましょう。

採用戦略フレームワークを導入して得られるメリット

ここでは、採用戦略フレームを導入することでどのようなメリットがあるかについて紹介します。

課題や改善点が客観的に評価できる

フレームワークを活用するメリットのひとつに、自社の課題や改善点を客観的に評価できる点が挙げられます。例えば、3C分析、SWTO分析などのフレームワークを使うと、自社の強み、弱みなどを明確にすることができます。また、求職者目線に立つことで、自社のどのような点が課題かを判断することができます。

客観的に自社がどのように見られているかを把握できれば、それに応じて戦略を立てられるため、求職者からの応募数の増加に繋げられます。

求職者とのミスマッチを減らせる

早期退職やミスマッチを未然に防げることも、採用フレームワークを活用するメリットです。ペルソナのようにどのような人材を採用したいかを明確に定義することで、求めてる人材に刺さるメッセージを作成することができます。

また、選考においても理想となる人材を把握できているため、採用の精度の向上に繋がり、ミスマッチを防ぎ、早期退職のリスクを減らすことができます。

プロセスを明確化することでPDCAが回しやすくなる

フレームワークに沿った採用活動を実施することで、採用戦略のプロセスが明確化されどこに課題があるかを把握できます。また、他部署などに課題を共有する時も、足りていない数字など具体的な内容を報告できるため、PDCAを回しやすくなるというメリットがあります。

採用活動において重要なことは、PDCAを回し、求める人材をより多く採用することです。フレームワークを活用し、より戦略的な採用活動を行っていきましょう。

採用戦略フレームワークを考える際の注意点

フレームワークを活用して採用戦略を立案する際にいくつかの注意点があります。

ここでは、採用戦略フレームワークを考える際の注意点について解説します。

PDCAは回し続けて常に戦略の見直しを行う

フレームワークから戦略を立案したら終わりではなく、定期的に振り返り、効果検証を欠かさずに行いましょう。

PDCAを回し続けることで、採用において最大限の成果を発揮することができます。例えば、応募数は目標に到達しているのに採用人数が達していないなら、本来のターゲットやペルソナではない求職者からの応募が多いと考えられます。

そのような場合は、求人媒体で発信する訴求などを変えるなどの施策を考えることができます。

また、応募率だけでなく、面接通過率や内定受諾率など細かくフェーズをわけることで細かい課題を把握することができます。

しっかりと分析をしてフレームワークを作成する

採用戦略フレームワークは、なんとなくで導入しても意味がなく、しっかりと分析を行ってから導入するようにしましょう。例えば、自社に合った人材を採用するために、ペルソナを作成するとしても、こういった人なら採用したいなと思って作成したペルソナは意味がありません。

自社に合うのはどのような人かというのを、現場や上層部と話し合ったり、具体的なスキルを明確化するなど、どのような人材が最適かの分析を行ってから作成するようにしましょう。

また、フレームワークを1つだけで活用するのではなく、課題に応じて組み合わせて活用することで、より効果を発揮します。

求職者のニーズを客観的に考える

フレームワークを活用しても上手くいかない時に考えられるのは、「求職者のニーズを客観的に考えられていない」ことです。

フレームワークは採用戦略を立案するために役立つツールなのであって、活用すると採用が成功するというわけではありません。

求職者のニーズに合わせて戦略を考える必要があります。

採用活動で効率よく成果を出したい方は株式会社アクセスへご相談ください!

組織の成長のためにも新しい人材を採用することは非常に重要なフレーズです。

自社に合った人材を採用するためにも、フレームワークの活用は欠かせません。

本記事では、採用戦略によく用いられるフレームワーク5選および、メリットと注意点について解説しました。

これらのフレームワークを活用することで、採用戦略の立案から実行、改善に至るまでの全過程を効果的にブラッシュアップすることが可能です。

株式会社アクセスでは、これまでいくつもの企業様の採用活動をお手伝いさせていただきました。これまでの経験を基に、独自のマーケティングノウハウを蓄積しています。

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